営業未経験チームが3ヶ月で商談24件・パイプライン50件超を創出した、"自然につながる"ソーシャルセリング改革
アウトバウンド

株式会社ロジック・ブレイン
企業の組織構築やマーケティングを、独自の分析技術で支援する株式会社ロジック・ブレイン。同社は、クラウドサービスとコンサルティングを組み合わせた独自のサービスを展開していますが、長年「質の高いリード獲得」という課題に直面していました。
その解決策として導入されたのが、セールスインテリジェンスプラットフォーム「AUTOBOOST」です。導入からわずか3ヶ月で、営業未経験の運用チームがどのようにして大手企業や地方優良企業との商談を次々と獲得し、劇的な成果を上げたのか。代表の服部様と、実際に運用を担当されている中川様、吉岡様にお話を伺いました。
独自の「ビッグファイブ」分析で、組織と人の課題を解決する
──まずは、貴社の事業内容と強みについてお聞かせください。
服部: 私たちは、人事・採用向けのクラウドアプリ「TOiTOi(トイトイ)」と、マーケティング・営業向けの「TENPIN(テンピン)」という2つのプロダクトを主軸に事業を展開しています。
私たちのサービスの大きな特徴は、単にツールを提供するだけでなく、導入初期の3ヶ月から半年間、徹底したコンサルティングやオンボーディング支援を行う点です。 最終的にはお客様が自社で運用できるようサポートする、伴走型のスタイルをとっています。
──具体的にはどのような分析を用いているのでしょうか。
服部: 性格特性論である「ビッグファイブ」と弊社独自の類型論を組み合わせた分析をしています。例えば組織マネジメントにおいて、上司と部下のタイプが異なれば、適切なコミュニケーション方法も変わります。 相手が「結論から話してほしい」タイプなのか、「前置きや背景を丁寧に共有してほしい」タイプなのか。
こうした個人の特性を客観的なデータとして可視化することで、組織内のストレスを減らし、相互理解を深めることができます。
実際に私たちが提供する分析レポートは、単なる性格分析ではなく、ビジネスの現場で「なぜ話が噛み合わないのか」「どう伝えれば動いてくれるのか」といった具体的な問題を解決するツールとして、多くの企業様にご活用いただいています。
「質の良いリード」はどこ? 交流会とテレアポの限界
──AUTOBOOST導入前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
服部:「質の良いリードが欲しい」。これは私たちに限らず、BtoBビジネスを行う全ての企業にとっての永遠のテーマだと思います。
これまで私たちは、経営者交流会やランチ会などに参加して人脈を広げたり、複数の営業代行会社に依頼してリード獲得を試みたりしてきました。しかし、交流会ではどうしても出会える数に限りがありますし、再現性がありません。
また、私たちのサービスは組織構築を支援する性質上、ある程度の社員数規模がある企業でなければ効果を発揮しづらいという側面があります。
小規模な交流会で出会う数名の会社様よりも、例えば地方にある優良な製造業や小売業など、数十名から数百名規模で組織運営をされている企業様にアプローチしたいと考えていたのですが、そうした企業様となかなか接点を持てないのが実情でした 。
──既存の営業代行サービスなどでは、解決できなかったのでしょうか。
服部: 正直なところ、複数の営業代行会社や広告施策も試しましたが、納得のいく費用対効果が得られないことが多かったです。
例えば、ある有名な営業支援会社を利用したこともありましたが、年間で獲得できたアポイントはわずか10件程度でした 。高い契約金を支払っても、月1件取れるかどうかという状況で、コストパフォーマンスの悪さに悩んでいました。
また、テレアポや一斉配信メールによるアプローチでは、どうしても「売り込み」の色が強くなってしまい、私たちが大切にしている「信頼関係」や「人となり」が伝わりにくいというジレンマもありました 。
アメリカのスタートアップ事情と、LinkedInの可能性
──AUTOBOOST導入のきっかけは何だったのでしょうか。
服部: AUTOBOOTを利用しているユーザー企業からのご紹介が直接のきっかけでしたが、実はその背景には、アメリカでスタートアップを経営している知人からのアドバイスがありました。
彼はアメリカの大学発のスタートアップで活動しているのですが、「アメリカのビジネスSNSの現状はどうだ?」と聞いたところ、「LinkedIn一択だ」と言うのです。Facebookはプライベートな要素が強くなっていますが、LinkedInは純粋にビジネス目的で利用されており、学生が経営者と繋がったり、エンジニアが専門家とコンタクトを取ったりするプラットフォームとして確立されていると聞きました。
日本でも、特に人事担当者や感度の高い経営層、学生の間でLinkedInの利用が広がりつつあることは感じていました。そうした中、ターゲットを絞り込んでアプローチできるAUTOBOOSTの話を聞き、「これだ!」と直感しました。
──以前にもLinkedIn活用を試みたことがあったとお聞きしました。
服部:実は以前、手動でLinkedInを使ってアポイントを取ろうとした時期がありました。しかし、当時はターゲットの絞り込みが甘く、少しBtoC寄りの軽いアプローチをしてしまっていました。「動物占いをやっています」というキーワードに興味本位の学生や、ビジネス対象ではない層からの反応ばかりが増えてしまったのです。
結果として、私は「動物占い」の認知が強くなり、商談には繋がらないアポイントでスケジュールが埋め尽くされてしまうという失敗を経験しました 。その経験があったからこそ、AUTOBOOSTの「企業規模や役職でターゲットをピンポイントに絞れる」という機能の重要性が痛いほど分かりました。
導入3ヶ月で商談24件。営業未経験でも「神がかった」成果を実現
──実際にAUTOBOOSTを活用されてみて、どのような成果が出ていますか。
服部: 現在、運用開始から約3ヶ月が経過しましたが、成果は非常に順調です。具体的には、アポイントとして確定したものが合計24件発生しています。 さらに、現在日程調整中のものや、「興味がある」と返信をいただいているホットなリードを含めると、パイプライン全体では50件から55件ほどの見込み顧客を獲得できています。
この数字は、過去に利用した営業代行会社と比較しても圧倒的です。先ほど申し上げた通り、他社では年間10件だったものが、AUTOBOOSTではわずか3ヶ月でその倍以上の商談を生み出しています。しかも、アポイントの「質」が非常に高い。以前のようなミスマッチな相手ではなく、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)機能を持つ企業様や、データベース事業を展開する企業様など、具体的な協業や導入検討に進みそうな商談が生まれています 。実際に、現在2回目、3回目の商談に進んでいる案件も複数あります。
──今回、運用を担当された中川様と吉岡様は、営業経験がなかったとお聞きしました。

中川: 私はもともとバックオフィス業務が中心で、営業活動自体が初めての経験でした 。最初は「何が始まるんだろう」という不安もありましたが、AUTOBOOSTを使ってみて、そのイメージが完全に覆されました。
これまでの「営業」というと、テレアポのように断られることを前提に、精神をすり減らしながら行うものだと思っていました。しかしAUTOBOOSTでのアプローチは、こちらから無理に売り込むのではなく、興味を持ってくださった方と自然につながっていく感覚です。
吉岡: 私も同じく、普段は裏方として働いており、プロフィールの作成すら初めての経験でした 。しかし、AUTOBOOSTを通じてアポイントが取れた際、社長から「すごく良い商談だった」というフィードバックをもらえたり、実際に成約に繋がる案件が出たりと、確かな手応えを感じています 。 特に印象的だったのは、アポイント時の相手の反応です。
無理やりアポを取った場合とは異なり、相手もこちらのプロフィールや情報を事前に見て興味を持ってくれているため、商談の空気が最初から温かいんです。
「いい匂いのする紙をもらった時に、その元を確かめたくなったり、上質な手紙をもらった時に、その手紙の送り手に会いたくなるような感じ」とでも言うのでしょうか、非常に好意的に話を聞いていただけます。
成功の鍵は「売り込み感の排除」と「CSチームの伴走」
──成果を出すために工夫された点や、運用のコツはありますか。

吉岡: 大きな工夫としては、メッセージの内容をAUTOBOOSTのカスタマーサクセス(CS)の方に添削していただいたことです。 当初、私たちが作成したメッセージは、想いが強すぎて文章が長くなってしまっていました。それをCSの方が「これでは刺さりません」と指摘してくださり、内容を変えずに半分の長さに凝縮してくれました。そのおかげで、相手に負担をかけず、かつ魅力が伝わるメッセージになりました。
中川: また、弊社の取締役である米倉の書籍出版のタイミングに合わせて、書籍のご案内をフックにしたメッセージを送ったことも効果的でした。
単なるサービスの紹介ではなく、「書籍をプレゼントします」「出版記念セミナーがあります」といった情報提供を行うことで、より自然な形で接点を持つことができました。米倉の書籍に興味を持っていただき、そこから実際のアポイントや成約に繋がった事例もあります。
服部: 重要なのは、「営業感」を出しすぎないことだと思います。 AUTOBOOSTでの活動は、飛び込み営業というよりも、オンライン上で「名刺交換」をして回る感覚に近いです。
「こういう事業をやっています、よかったら繋がりませんか?」と名刺を差し出し、それを受け取って「へぇ、面白いね」と言ってくれた方とだけお話をする。だからこそ、お互いにストレスがなく、質の高い商談につながるのだと思います。
「狩猟型」から「農耕型」へ。これからの資産となるリスト活用
──今後の展望や、AUTOBOOSTに期待することをお聞かせください。

服部: 今後は、獲得したリードの「資産化」を進めていきたいと考えています。これまでは新規開拓(狩猟型)が中心でしたが、AUTOBOOSTを通じて繋がった方々は、今すぐ商談にならなくても、私たちの事業に一定の興味を持ってくれた貴重な存在です。こうした方々を「ハウスリスト」として蓄積し、定期的にセミナー案内や有益な情報を届けることで、中長期的な関係を築いていきたい(農耕型)と考えています。
中川: そうですね。今まではアポイントを取ることがゴールになってしまい、その後のフォローまで手が回らないこともありました。
今後は、繋がった方々に対して「先日はありがとうございました」といった丁寧なフォローを行い、タイミングを見てまたキャンペーンのご案内をするなど、AUTOBOOSTの機能を活用して継続的なアプローチを行っていきたいです 。
服部: 地方の優良企業や、これまで出会えなかった層と繋がれることがAUTOBOOSTの最大の魅力です。このツールを単なるアポ獲得マシーンとして終わらせるのではなく、私たちのファ ンを増やし、ビジネスの土壌を豊かにしていくためのプラットフォームとして、さらに活用を深めていきたいですね。
取材:金谷優樹・林裕太郎・安部悠希
執筆:新國翔大
撮影:斎藤駿介
撮影場所:WeWork半蔵門PREXSouth

