属人的な営業から脱却!顧客データで“成果が出る営業”を再現するには
- pr-marketing9
- 8月6日
- 読了時間: 11分

アポイントの獲得率や受注の確度といった営業成果は、「どのようなデータを、どこまで活用できているか」によって大きく左右されます。
一方で、社内でデータが共有されていなかったり、情報が古くなっていたりすると、過去に接点のあった企業に再び同じ内容の提案をしてしまうといったミスも起こりがちです。「うちのことをわかっていない会社だ」といった印象を与えてしまえば、アプローチがかえって信頼を損なう要因になってしまうことも……。
そこで本記事では、営業現場がデータ活用につまずきやすいポイントを整理しながら、成果につながるデータの「収集」「整備」「活用」の進め方について解説していきます。
なぜ今、営業にデータ活用が求められているのか
属人的なアプローチや従来型の打ち手では成果につながりにくくなった今、営業活動の見直しが迫られています。
まずは、従来の営業手法がなぜ限界を迎えているのか、そして営業活動をアップデートするために必要な視点について見ていきましょう。
営業活動の属人化が招く「成果のばらつき」
営業活動において「属人化」が課題となるケースは少なくありません。
特定の担当者にノウハウや経験が偏っていると、成果にばらつきが出やすく、再現性のある営業体制を築くことが難しくなるのです。
新規開拓営業では、ターゲットの選定や情報収集が担当者任せになっている場合も。こうしたケースにおいてアナログな手動調査に依存すると、調査に時間がかかるうえ、情報の質も担当者のスキルや視点に大きく左右されてしまいます。さらに、収集した情報の更新も手動で行っている場合は、管理が追いつかなくなりやすく、古い情報のまま営業活動を進めてしまうリスクもあります。
こうした属人的かつ非効率なやり方では、継続的な改善や組織全体での学習も進みにくくなってしまいます。
外注とツール導入だけでは成果が出ない?
属人化を避ける手段として、営業代行の活用やツールの導入に踏み切る企業もあります。しかし、これらの取り組みが必ずしも成果につながるとは限りません。
例えば営業代行には、アプローチの過程で得られた顧客の反応や仮説が社内に蓄積されづらいといった弱点があります。営業のアプローチを外注した結果、何がうまくいって何が失敗だったのかが見えづらくなり、改善に向けた手がかりがつかめないという壁にぶつかる企業も少なくありません。
営業効率化ツールについても、収集するデータの定義が曖昧であったり、ほかのシステムと連携できていなかったりすると、情報は蓄積されても活用ができないといった状態に陥りがち。導入しただけで成果が上がるとは限らないのが実情です。
こうした落とし穴を回避するには、「どんな情報を、どう使うのか」という視点で営業の仕組みを見直す必要があります。
「誰がやっても成果が出せる」データ活用の力
属人的な営業から脱却し、組織全体で成果を出していくために必要なのが、“再現性のある営業活動”です。そして、誰が担当しても、ある一定以上の成果を見込める営業体制をつくれる体制の実現に欠かせないのが、営業ノウハウを「データとして残す」ことです。
「どんなターゲットに」「どんなメッセージを」「どのタイミングで届けたら成果が出たか」といった情報を可視化すれば、勘や経験に頼らず、再現可能なプロセスが整っていきます。
さらに、営業活動のログを記録・分析し、現場での知見を蓄積・共有する仕組みがあると、新人でも一定の成果を出しやすくなります。チーム全体でデータを参照し、入力し、改善に活かす。このサイクルが定着している組織は、変化にも強く、継続的な成果を出し続けることができます。
また、データを“内製”で収集・活用できる体制を整えれば、PDCAも素早く回せるようになります。現場のフィードバックをすぐに反映し、改善施策を打つ。このスピード感が、営業の再現性をさらに高めていくのです。

営業成果を左右する「顧客データ収集」の基本
“再現性のある営業”に欠かせないのが、成果につながるデータの収集です。とはいえ、ただ情報を集めるだけでは意味がありません。重要なのは、「どんなデータが営業成果に直結するか」を見極め、その情報を無理なく継続的に集められる仕組みを整えることです。
ここでは、質の高いデータを集めるために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
1.成果につながるデータ、つながらないデータを見極める
顧客データとひと口に言っても、すべてが営業活動に役立つわけではありません。成果につながるのは、「誰に・いつ・どう届けるか」という具体的なアプローチ判断に活用できる情報です。具体的には以下3つの情報を優先的に集めることをおすすめします。
①キーマン情報
サービス導入における意思決定に関わる担当者の氏名、役職、所属部署、連絡先。
キーマンに直接リーチできれば、意思決定までのリードタイム短縮にもつながる
②アクティブ度
ターゲットとなる相手が、どのチャネル(SNSやメール、Webサイト)で情報収集や発信を行っているか。
ログイン頻度や投稿・閲覧の傾向を把握することで、もっとも反応が得られやすいチャネルが見えてくる
③接触傾向
過去にどのような情報に興味を示したか、どのような投稿に反応したかなどの行動履歴。
相手の興味関心や課題感を推測する手がかりになり、メッセージのパーソナライズに大きく貢献する
これら3つの情報は、相手を個として理解し、成果につながる打ち手を考えるうえで欠かせないデータです。

一方、IPアドレスをもとにしたWeb閲覧履歴やインテントキーワードといったデータは、企業全体の傾向をつかむうえでは有効ですが、営業アクションにはつながりにくい面もあります。
特に大企業の場合、「誰が」その行動を取ったのかを特定するのは困難であり、個別アプローチには不向きです。そのため、これらのデータは、企業の全体的な傾向や関心の「当たりをつける」ための補助的な情報として活用し、実際の営業活動では、個人レベルでの具体的な行動データに重きを置くのが得策といえるでしょう。
2. データ収集は“一度きり”ではなく、継続が肝心
顧客データは、一度集めて終わりではありません。企業の組織体制や担当者の異動、SNSアカウントの削除や非アクティブ化など、情報は日々変化していきます。つまり、データは“生きている”という前提で向き合う必要があるのです。
古い情報をもとにアプローチを行えば、成果につながらないばかりか、「この会社はきちんと調べていない」といった印象を与え、信頼を損ねてしまうリスクすらあります。
こうした事態を防ぐには、情報の鮮度を保ち続ける仕組みづくりが不可欠です。データ整備を一時的な作業ではなく、営業プロセスの一部として捉える。収集から更新までの流れを自動化し、必要に応じて定期チェックも組み込む。こうした意識のもと、常に正しい情報をもとに動ける状態を維持できれば、無駄なアプローチを避け、チャンスを逃さずに済むようになります。
3. データの精度を保つのに欠かせないのは「仕組み化」
せっかく顧客データを集めても、表記ゆれや重複、入力ミスがあれば活用は難しくなります。とはいえ、複数の担当者が手動で情報を入力していると、どうしてもデータの精度は落ちてしまいがちです。
よくあるのが、自由記述でのメモ入力によって、情報が属人化してしまうケース。誰が何を書いたのかわからなくなったり、後から検索や集計ができなかったりする状態は、分析や施策設計の妨げとなります。
こうした問題を防ぐには、「正確に・統一された形で」データを蓄積できる仕組みが必要です。
【工夫の具体例】
自由記述は最小限にとどめ、選択式やプルダウン形式を基本にする
企業名や担当者名を入力する際、過去データや外部DBと照合できる仕組みを整える
自動補完や重複チェックの機能を活用し、入力ミスを防止する
必須入力項目を設定し、情報の抜け漏れを防ぐ
さらに、収集したデータをCRMやSFAなどの営業支援システムと連携させれば、情報を一元管理しながら営業プロセスに活かすことができます。
こうした自動化と仕組み化によって、蓄積された情報ははじめて“使えるデータ”となります。
集めたデータを「営業成果」に変える活用術
質の高い顧客データを整備できたら、次に重要なのが「どう活用するか」です。最後に、データを営業活動の成果につなげるためのポイントを紹介します。
営業活動は「見える化」しなければ改善できない
データ活用の出発点は、いま現場で何が起きているかを“見える化”することです。特に新規開拓においては、最終的な受注件数だけを見るのではなく、その前段階のプロセスを細かく捉えることが欠かせません。
例えば、以下のような中間指標を把握すれば、営業活動のボトルネックや改善ポイントを明確にすることができます。
テレアポの受付突破率
SNSでのメッセージ開封率・返信率
アポイント獲得率
商談化率
こうした各プロセスのコンバージョン率を記録・可視化することで、「どのメッセージがアポイントにつながりやすいか」「どのチャネルからの接触が商談化率を高めているか」といった傾向を把握し、過去の経験や感覚に頼った振り返りではなく、「アポイント率は〇〇%で、他のリストと比べて△%高い」といった定量的な視点で評価・議論ができるようになります。
成果につなげる鍵は「仮説検証」にあり
活動ログを可視化し、現状の営業活動を把握できたら、次に必要なのは「なぜその結果になったのか」を捉えることです。
仮説のないまま漠然と数値を見るだけでは、表面的な変化しか捉えられないため、属人的な営業活動からの脱却が難しくなります。目の前のデータを再現性のある改善にはつなげるには、「このターゲットリストのアポイント率が低いのはなぜか?」「このメッセージはなぜ反応が薄いのか?」といったように、具体的な仮説とセットで分析することが求められるのです。
仮説を精度高く検証するためには、ABテストの考え方が有効です。成果に影響を与える要素(変数)を一つに絞り、他の条件はできる限り固定したうえで比較検証を行います。
【SNS営業のメッセージ内容改善に向けて意識したい変数の例】
メッセージ内容:冒頭の書き出しや提案の切り口など
ターゲット層:業界、企業規模、課題タイプなど
役職:決裁権の有無に直結するポジションの違い
送付時間:出社直後/昼休み/退勤前などの時間帯
このように、影響要因を明確に切り分けたうえで検証することで、「なぜ成果に差が出たのか」が見えやすくなります。 反対に、変数が複数重なってしまうと「Aが理由だと思ったが、実際はBだった」といった誤解を招きやすくなるため注意が必要です。
仮説と検証のサイクルを丁寧に回し、再現性のある成果パターンを見つけましょう。
受注までのプロセスを分解すれば、営業はもっと改善できる
営業活動の改善スピードを左右するのが、「どれだけプロセスが見えているか」です。最終的な受注数だけを追っていても、何がうまくいっていて何が課題なのかが見えづらく、施策の振り返りや改善が遅れてしまいます。
成果を安定的に積み上げていくためには、受注に至るまでの各ステップを詳細に記録・分析し、「どこに改善余地があるのか」を具体的に把握できる状態をつくることが重要です。
新規営業においては、以下のような情報を残しておくと、改善のヒントが見つけやすくなります。
どのリストを使ったか
どんな役職のキーマンにアプローチしたか
どのチャネル(メール、電話、SNSなど)を使ったか
どんなメッセージを送ったか
どのような反応が返ってきたか
こうした活動ログがチーム内で共有されることで、属人的になりがちな営業手法を組織知として蓄積できます。
成果が思うように出ていない場合、「課題はどこにあるのか」を正確に見極めることも大切です。以下のような観点でプロセスを比較分析すると、ボトルネックを特定しやすくなります。
担当者ごとのコンバージョン率(受付突破率、アポ率など)
ターゲットセグメントごとの成果差
メッセージ内容や送信タイミングによる反応の違い
例えば、「このリストはアポ率が低い」「この時間帯の開封率が悪い」などの傾向が見えれば、次の一手を具体的に設計できます。
データドリブンな営業で、多面的な新規開拓アプローチを実現するには
新規営業の成果を高めるには、アプローチの質や効率を高めていくことが欠かせません。
AUTOBOOSTは、オンライン上の公開データを活用し、キーパーソンへのアプローチを効率化するプラットフォームです。購買決定者に直接リーチできることから、従来のアプローチ方法と比べて効率的にアポイント獲得や商談化につなげることができます。
さらに、接触履歴や行動データの分析を通じて、最適なタイミングでの再アプローチやメッセージの改善も図れるため、組織全体の営業力アップにも役立てられます。
属人化しがちな新規営業をデータで仕組み化し、誰もが安定的に成果を出せる体制を目指してみませんか。



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