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「SNS営業」は本当に成果につながる? 0から始める実践ガイド

  • pr-marketing9
  • 6月16日
  • 読了時間: 14分

更新日:6月20日

テレアポやメールといった従来の営業チャネルから意思決定者と接点を持つのが難しくなった今、「SNSなら新しい活路が見いだせるのでは」と考える営業担当者は増えつつあります。


とはいえ、「本当に営業チャネルとして成立するのか」「どう始めればよいかがわからない」といった不安も根強く、踏み出せずにいる企業も少なくありません。


本記事では、従来の手法と比較しながら、SNS営業の活用可能性と実践のポイントを整理します。


営業現場が抱える「打ち手不足」のリアル


近年、多くの営業現場で「これまで通用していた手法が通用しなくなってきている」という声が高まっています。

特に新型コロナウイルスが蔓延した2020年以降、業務のデジタル化は急速に進み、テレアポやメール、フォーム送信といった従来の主要チャネルはいずれも思うような成果につながりにくくなっています。


従来の営業手法に限界を感じる現場の声


テレアポでは、今もなお代表番号を通じたアプローチが主流です。しかし、担当者にたどり着くまでの導線は長く、電話に出てもらえないまま終わることも少なくありません。さらに、ようやく商談にたどり着いたとしても、対応するのは決裁権を持たない担当者であるといったケースも多くあります。こうした壁の数々に直面し、成約に結びつけられないという問題を多くの現場が抱えています。

また、メール営業においても、企業のセキュリティ対策に加え、Gmailなどの代表的なメールサービス側でのフィルタリング精度が向上したことで、メールが届く前にブロックされたり、迷惑メールフォルダに自動で振り分けられたりするケースが目立ってきています。

努力を重ねても相手に届けることすらままならない。そんな無力感が営業場に広がりつつあるのが実情です。


フォーム営業の形骸化と受け手の拒否感


一時期、テレアポやメール営業の代替手段として活用が進んだフォーム営業も、同じく限界が見えつつあります。自動化ツールや営業代行サービスの普及により、脈絡のない営業が急増しており、フォーム営業そのものの質が大きく低下しているためです。


受け手の企業側では、営業メッセージが毎日のように大量に届くため、ひとつひとつを丁寧に確認することは稀になっています。「営業目的のフォーム送信はご遠慮ください」と明記して営業連絡を拒否する企業も増えており、フォーム営業に対する風当たりは年々強くなっています。


さらに、フォーム営業はその典型的な内容ゆえに、企業の信頼性を損なう原因にすらなり得ます。事前調査が不十分なまま送られてくる画一的なメッセージが多いことから、受け手は「誰にでも同じ内容を送っているのでは?」といった疑念や不信感を抱きやすく、フォーム営業そのものの印象をさらに悪化させています。


本来、フォーム営業は「対話のきっかけ」をつくるための手段であるはずです。しかし、使い方によってはかえって逆効果になるケースもあるのです。


従来手法と比較したSNS営業の優位性


こうしたなか、SNSを通じてキーパーソンに直接アプローチできる「SNS営業(ソーシャルセリング)」が、営業手法のひとつとして注目を集めています。


テレアポやフォーム営業といった従来の手法と比べたとき、SNS営業はどのような点で優れているのか、3つの視点から見ていきましょう。



接触率


テレアポやフォーム送信などの従来手法では、「電話がつながっても相手が不在だった」「誰に届いたのかがわからない」といったケースが多く、接触率そのものが低い傾向にあります。


一方、SNS営業では、いきなり本題に入るのではなく、「つながり申請」→「投稿へのリアクション」→「DMでのコンタクト」と、段階的に接点を築いていくアプローチが可能です。


このプロセスを挟むことで、「知らない人から突然連絡が来た」といった抵抗感が薄れ、より自然な流れで会話のきっかけをつかみやすくなります。


決裁者到達率


フォーム営業やテレアポの多くは、受付や代表アドレスなどの代表窓口を通ります。そのため、担当者止まりになりやすく、なかなか意思決定者にたどり着けないことも少なくありません。


一方でSNS営業、特にLinkedInのようなビジネスSNSを活用すれば、実名・役職付きの相手にダイレクトに連絡をとることができます。ターゲティングの精度を高めることで、部長職以上のキーパーソンにアプローチできる割合が高まり、従来では難しかった意思決定層への接触も現実的になってきます。


メッセージの個別性・印象


同じ文面を一斉送信する「テンプレ型」のフォーム営業は、受け手からすると「どこにでも送っている営業メッセージ」という印象を与えてしまうことが少なくありません。


一方、SNSのDMは、相手のプロフィールや過去の投稿内容を見たうえで、文面をパーソナライズできる点が強みです。「Why You(なぜあなたに)」「Why Us(なぜ自分たちが連絡したのか)」が伝わるメッセージであれば、無機質な営業メッセージとは異なり、信頼感のある第一印象につながります。


SNS営業で成果を上げるための「前提条件」とは


従来の営業手法に比べて秀でている部分が多いSNS営業ですが、すべての商材やターゲットに対して万能というわけではありません。


SNS営業で成果を上げるには、まずいくつかの前提条件を理解しておくことが重要です。ここでは、成果につなげるために押さえておきたい3つの要素を紹介します。


ターゲットがSNSにいるかどうか


SNS営業でまず押さえておきたいのは、「届けたい相手が、そもそもSNS上にいるのかどうか」ということです。


例えば、LinkedInは実名・実所属での登録が基本となっており、部長クラス以上の意思決定者層とも直接つながりやすい環境が整っています。実際、ターゲティング精度を高めることで、接触先の6〜8割が決裁者層となるケースも確認されており、フォームや電話では担当者止まりになりがちな従来手法と比べて、大きな優位性があります。


特に、IT・人材・マーケティングといった業界では、日常的にSNSを活用して営業・採用活動を行っている企業も多く、DM経由で商談につながるケースも少なくありません。


一方で、製造業や建設業などの伝統的な業界では、そもそもSNSアカウントを保有していなかったり、あまり活用されていなかったりするケースもあります。そのため、アプローチしたい層がSNS上にいるかどうか、まずは業界ごとの傾向を把握しておくことが不可欠です。


アカウントに信頼感があるか


SNS営業で成果を上げるうえでメッセージの中身と同じくらい大切なのが、「誰が送っているのか」というアカウントの信頼性です。


どれだけ丁寧な内容を送っても、送信元のアカウントに対する信頼感を持てなければ「つながり申請が承認されない」「DMが開封されない」といったように、チャンスを逃してしまうこともあります。SNSでは、アカウント情報だけで「信頼できそうか」が瞬時に判断されるため、第一印象が反応率に大きく影響します。


特に、つながりが極端に少ない、プロフィールが曖昧、発信が一切ないといったアカウントは、「営業専用の使い捨てアカウントでは?」と警戒されやすく、せっかくのメッセージも見てもらえない可能性が高まります。


インフルエンサー並みにつながりを増やす必要はありませんが、最低限「ちゃんとした人だ」と思ってもらえるような印象や情報の整備は、SNS営業を成立させる前提条件であり、成果に直結しやすくなる要素となります。


商材がSNSで関心を持たれやすいものかどうか


そして最後に押さえておきたいのが、アプローチする業界・職種と、商材との“相性”です。


SNS営業の成果は、ターゲットがどのSNSを使っているかだけでなく、職種や業界ごとのアカウント分布がそのSNS上でどれだけ可視化されているかによっても大きく左右されます。


例えば、LinkedInではSaaS、BtoBマーケティング、HR系などの職種が比較的多い傾向があるため、この領域における「よくある課題」にフィットする商材は、SNS上でも比較的スムーズに関心を持たれやすくなります。


また、接点を作ったあとの行動にも目を向ける必要があります。例えば、自社が持つナレッジ記事やサービス比較コンテンツなどをタイムライン上に公開していれば、検討初期の段階でも「ちょっと気になる」と思ってもらえる確率は高まります。


SNS営業では、いきなり売り込むのではなく、「相手にとっての気づきの入り口」をつくることが大切です。そうした意味でも、商材の性質や相手への訴求のしやすさは、成果を分けるポイントとなります。


「やってみたけど刺さらない」SNS営業のよくある失敗


SNS営業は有効な手法である一方で、やり方を間違えると「刺さらない」「むしろ逆効果だった」といった事態になってしまうケースがあります。


ここでは、よくある失敗のパターンを紹介しながら、避けるべきポイントを整理します。


脈絡のないテンプレDMにより悪印象を与えてしまう


LinkedInやX(旧Twitter)でよく見かけるのが、いきなりサービス紹介から始まるテンプレート的な営業DMです。


「○○を提供している△△です。貴社にマッチするかと思い、ご連絡しました」といった定型的な書き出しのメッセージには、ユーザーの反応も鈍くなりがちです。


特に、「ほかの人にも同じメッセージを送っていそう」と感じさせるDMは、読み飛ばされたり、場合によっては“営業スパム”として認識されたりしてしまうこともあります。


SNS営業においては、「なぜ今、なぜあなたに」という脈絡のある接点作りが不可欠。まずは相手の投稿にリアクションをするなど、“あなたに関心がある”ということが伝わる動きから入ることがポイントです。


一斉送信などの粗いアプローチにより、かえって商機をつぶしてしまう


特にアプローチ先が限られている業界(例:大手企業、特定業種のキーパーソン)において、数百社・数千社へ一括送信を行うような粗いアプローチは、むしろ逆効果になりかねません。


一度でも「雑な営業をしてくる会社だ」という印象を持たれてしまうと、たとえ商談につながったとしても、相手は懐疑的なスタンスで話を聞くことになります。


さらに、「この会社とはもうかかわらない方がいい」といったネガティブな印象が社内に共有されてしまえば、その企業への営業チャンスが長期にわたり閉ざされてしまうリスクすらあります。


対象者が限られているときこそ、一人ひとりの相手へ丁寧に届けるという姿勢が成果に直結します。


接触履歴の管理不足によって営業の質が低下する


SNS営業を複数人で行う場合、「誰が・いつ・どのアカウントに・どんなメッセージを送ったか」がチームで正確に把握できていなければ、営業の質が大きく下がってしまいます。


例えば、同じ相手に別の営業担当から似たようなDMが送られたり、過去にやりとりした相手に対して再び自己紹介から始めるようなメッセージを送ってしまうようなケースです。


こうしたエラーは受け手に違和感や不信感を与え、「この会社、ちゃんと連携できていないのかも」と思わせてしまう原因になります。


SNS営業の成果を高めるためには、接触履歴や対応内容をきちんと可視化し、チームで共有・管理することが不可欠です。属人的な営業体制のままでは、コミュニケーションミスが繰り返され、商談チャンスを逃すリスクも高まります。




SNS営業をうまく機能させるためのステップ


SNS営業で成果を出すためには、やみくもにアプローチするのではなく、アカウントやメッセージの設計・接点づくりを丁寧に行うことがカギになります。


ここでは、SNS営業を成果につなげるための基本ステップを5つに分けて紹介します。



ステップ1:ターゲット選定


まず最初に取り組むべきは、「誰にアプローチするか」を明確にすることです。


業界や職種、役職だけでなく、相手の興味・関心領域を想像したうえで、どのようなテーマなら反応が得られそうかまで具体的に想定しておくと、後のメッセージ設計にも役立ちます。


また、ターゲットを絞ることで、一人ひとりに合わせた丁寧な接点設計も可能になります。

SNSだからこそできる「信頼を積み上げていく営業」を意識しましょう。


ステップ2:アカウント整備


相手に安心してやりとりをしてもらうためには、自分自身のプロフィール設計に気を配る必要もあります。


どれだけよいメッセージを準備していても、アカウントに信頼感がなければDMを読まれる前につながり申請を拒否されてしまう可能性もあるため、アプローチ前に以下の基本を整えておきましょう。


最低限整えておきたいのは、以下の3点です。


  • 本人の顔写真(清潔感があり、近づきやすい印象のもの)

  • 職種・役割がひと目でわかるヘッドライン(例:「BtoB SaaSのカスタマーサクセス責任者」など)

  • 数十人以上のつながり


また、共通のつながりが多い相手ほど、承認率が上がる傾向にあるため、接点を増やしながらネットワークを広げていく工夫も有効です。


投稿や発信が活発でなくても問題ありませんが、最低限「誰が見てもちゃんとした人に見えるか」を意識しましょう


LinkedInのプロフィールを充実させるための具体的なナレッジや参考例について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。




ステップ3:接点づくり


SNS営業において重視するべきは、とにかく売り込むことではなく、相手との関係性を築くこと


いきなりDMを送るのではなく、まずは相手の投稿に「いいね」やコメントで反応したり、共通のつながりをフォローしたりと、相手の目に自然に触れる行動を段階的に積み重ねていくのが効果的です。


相手に投稿がない場合でも、プロフィールをしっかり読み込んだうえで、共通点や関心事をきっかけにメッセージを送れば、初回接触時の警戒感をやわらげることができます。


一度でも「この人、前に見かけたことがあるな」と印象づけられれば、その後に送るDMも開封・返信されやすくなる傾向があります。


ステップ4:メッセージ送信(DM)


いよいよメッセージを送る段階では、「なぜ今、なぜこの人に連絡をしているのか」が伝わる内容を意識することが大切です。相手の課題感や関心に寄り添った内容ほど、反応率が高まります。


初回のつながり申請時には、ある程度テンプレートを活用しても構いませんが、2通目以降は相手のプロフィール・役職・投稿内容を読み込んだうえでカスタマイズするのが得策です。


また、メッセージ文はすべて手動で行うのではなく、自動化できる部分(初回送信、タイミング管理など)と手動で行うべき部分(文面のカスタマイズ)を分けて設計することで、効率と質のバランスが取れた運用が可能になります。


ステップ5:継続接点・再アプローチ


SNS営業は「一度送ったら終わり」ではなく、“継続接点を設計すること”で成果につなげやすくなります。

例えば、以下のような工夫が効果的です。

  • 定期的な情報提供を行う(メルマガのようなイメージ)

  • 相手が資料をクリックしたタイミングを見計らって、再アプローチを行う

  • 予算時期や検討タイミングに合わせて、フォローメッセージを送る

資料の閲覧履歴やリンクのクリック状況などを確認できるツールを活用すれば、相手が興味を持ったタイミングで、効果的な再アプローチが可能になります。

また、チームで運用する場合には、アプローチ履歴や文面・予算時期のような検討タイミングなどを一元管理する仕組みが必要です。属人化を防ぎ、成功パターンやNG例を蓄積・共有していくことで、チーム全体の営業力は着実に向上していきます。


まとめ:SNS営業で成果を出すために必要なこととは?


テレアポやフォーム営業など、従来の手法が機能しづらくなっている今、SNSを使った営業アプローチは、これまで届かなかったキーパーソンと“直接つながる”ための有力な選択肢になりつつあります。


ただし、SNS営業は「とりあえず手当たり次第にDMを送ってみる」といった取り組み方では成果につながりません。


  • 誰に、どのアカウントで、どう伝えるかをきちんと設計すること

  • 一人ひとりに合わせたメッセージの“質”にこだわること

  • 接点を一度きりで終わらせず、関係を育てる仕組みをつくること


さらに、チームで運用する場合は、アプローチの履歴や進捗を見える化し、属人化を防ぐ体制づくりが成果をより安定させるためのキーになります。


「やってみたいけど、すべてを手作業で運用するのは難しい」「今のやり方では、効率や再現性に限界がある」といった課題を感じている方にこそ、SNS営業を“仕組み”で支えるツールの活用が効果的です。


AUTOBOOSTなら、“人”に届くSNS営業を再現性高く行える


AUTOBOOSTは、SNS営業をはじめとするキーパーソンアプローチを一気通貫で支援するプラットフォームです。


はじめてのSNS営業でも、「誰に」「いつ」「どのように」アプローチすべきかを仕組み化することで、営業チーム全体で成果を上げる運用体制をつくることができます。


【AUTOBOOSTの機能例】

  • キーパーソンの検索からメッセージ送信までを一元管理

  • プロフィールや過去のやりとりを踏まえた最適なタイミングでのフォローアップ

  • 重複アプローチの防止や、チーム全体の成果の見える化


SNS営業を「勘や根性」ではなく「再現性ある仕組み」として運用していきたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。




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